イギリスのご飯はまずいらしい。
この噂、みなさん一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
私が語学留学へ行くとなった時、たくさんの人からこの噂について私も聞かされました。笑
実際にイギリスを訪れたことがない人でも、この噂を知っているという人はたくさんいると思います。
それくらい、
イギリスのご飯はまずい
というのは有名ですよね。笑
今日はイギリスのご飯が美味しくないといわれている事情について紹介します。
イギリスのご飯は本当に美味しくないのか
まずいまずいと聞きますが、実際どうなのか。
その「まずい」がどういう「美味しくなさ」なのか、いまいちピンと来ないままイギリスへやってきた私でしたが、実際に食べてみると…
別に、まずくはないと思いました。
もっとわかりやすく言うと、「変な味がする」とか「おぇっとなるようなまずさ」では全くなかったのです。
ビビッて損した~
と、最初は思いました。
…が、じきにその意味が分かるようになるのです…笑
「まずい」=「塩気がない」
この事実に気づくのに、そう時間はかかりませんでした。
イギリスのご飯はとにかく「塩気がない」のです。
良く言えば、素材の味がそのまま生かされている、ということになります。
トマトミートソーススパゲッティを食べると、トマトとお肉の味のみ。
スパゲッティーカルボナーラを食べると、クリームの味のみ。
塩気ゼロ。
うまみゼロ。
そんな感じの食事が多いのです。
ホームステイ先でも、食卓には必ず塩が置いてあり、それぞれ好みで塩を自分の食事にかけて食べるというのが日常の風景になっていました。
また、今住んでいるボランティア施設でいただいているランチも、毎回塩気がないものばかり。
食事の時には塩を常に常備して、振りかけて食べています。
現地の人は本当にあまり塩を使わずに食事をしており、サラダも、ドレッシングも塩もかけずに食べますし、
「うわ~…かなり味がないなぁ…」
と私が思うような食事も、塩などかけずにそのまま食べて、ケロっとしています。
「まずい」=「しょっぱすぎ」
上に「塩気がない」ことから「まずい」と言われていると書いたばかりですが、実はその逆もあります。
「しょっぱすぎる」のです。
イギリスでは何でもかんでも「グレイビーソース」という特製ソースをかけて食べる習慣があるのですが、このグレイビーソースが、ある時はとても塩味が薄く、ある時は究極にしょっぱかったり、と味が安定しません。爆
(今のボランティア施設のキッチンで作られるグレイビーソースの話をしています。笑)
結局、日本のように出汁を取る文化がないので、「うまみ」はやはり皆無。
そうなると、ただ「塩気がない」料理か、「しょっぱいだけ」の料理が仕上がってしまう可能性が高いようです…。

グレイビーソースのかかったローストビーフランチ
野菜もパスタもとてつもなく柔い
火の通った野菜は、基本的にとんでもなく柔らかく仕上がっていることが多く、パスタなどもとんでもなく柔らかく仕上がっているのが結構標準だったりするようです。
日本で言うとゆがきすぎだと言われる柔らかさのパスタです。
イタリア人が経営するイタリアンレストランに行けばもちろん想像通りのパスタを食すことができますが、イギリス人が経営しているカフェなどで出るパスタは、とんでもなく柔らかいパスタが出てくる率が高いと思っていいと思います。
またイギリスではスパゲッティをなぜかカットして細かくして、スプーンで食べるという謎の食べ方をする人が多く、それもあってもしかしてパスタは柔らかいのか…?
いや、柔らかいからカットして食べるのか…?
…と、ちょっと推測してみたりしています…。
こちらはスコットランドのエディンバラで入ったカフェで食べた、奥がカルボナーラ、手前がバジルとチキンのパスタです。
私のバジルとチキンのパスタは、バジルの塩味がほのかにきいていて「味があった」のですが、友人の注文したカルボナーラは…
私も味見をさせてもらったのですが、完全に…
無味でした。涙
無味って凄いですよね…。
本当に何の味もせず、友人はとにかく塩をかけまくって応戦しましたが、塩味しかしないパスタは確かに…
美味しくありませんでした…。
イギリスご飯の代表作
イングリッシュブレックファスト
イギリスの代表的な料理「イングリッシュブレックファスト」は、
ベーコン・目玉焼き・ブラックプディング(豚の血を固めた物)・ローストポテトもしくはハッシュドポテト・ソーセージ(かなり固め)・レッドビーンズ・揚げ食パン・マッシュルーム・トマト
これらの食材が一つの更にただ一緒に乗っている、というスタイルの料理です。
この黒い丸いのがブラックプディング。
豚の血を固めた物なのですが、これはもちろん既製品。
(ちなみに私は苦手です…。)
ソーセージと目玉焼きとベーコンとトマトとマッシュルームは焼いてあります。
ハッシュドポテトは基本的に既製品。
レッドビーンズも缶詰の既製品です。
それを一つのプレートに盛り合わせただけなので、私としてはあまり特別感は感じないのですが、イギリス人の同僚は、
「なんてゴージャス!」
と、イングリッシュブレックファストはご馳走だと言いますし、テンションが上がるようです。笑
このイングリッシュブレックファストの例で、ちょっとイギリスの食事概念が伝わったでしょうか…?
日本とはちょっと料理に対する感覚が違う…
と、私は感じています。
フィッシュアンドチップス
もう一つ有名なイギリスの料理、フィッシュアンドチップス。
タラを揚げて(要するに大きな魚の天ぷら)、チップス(イギリスではフライドポテトのことをチップスといいます)とグリーンピースを合わせてプレートに乗せただけの料理です。
(「だけ」とか言ってごめんなさい。汗)
味付けは付け合わせのタルタルソース。
もしくはそれに加えてレモン汁かビネガー(お酢)。
繊細な味…
とか、
いろんな味が混ざり合って…
とか言ったような味付けがされた料理ではなく、
3つの素材が同じプレートに乗っているだけ
…のような、そんな感覚がします。
まとめ
初めに、「美味しくないことはない」ようなことを書きましたが、当たりはずれはかなりあるかと思います。
日本ではなかなか味わえないレベルの当たりはずれになるのですが、
当たれば並みの味わい
はずせば無味
という、結構究極の当たりはずれになります。汗
イギリスの人々はあまり食や料理に興味がないと言われたりもしますが、実際そういうことを感じることは確かにあります。
また、料理するのが好き!
という人がいたとしても、結局は日本ほど手の込んだ料理を作ったことがないので、日本人の思う「美味しい」料理を作るという発想からしてないのではないかと思います。
特に、出汁の味と美味しさに慣れている日本人にとっては、イギリスの料理は余計にたんぱくに感じてしまうのだと思います。
出汁って本当にすごいです。
ちなみに、これまで出会ってきたイギリス以外のヨーロッパの国々の人々も、
「イギリスのご飯は美味しくない…」
とみんな口をそろえて言っていますし、確かに私も他の国で食べたご飯は美味しいと素直に感じることができたので…
どうやらイギリスは料理の味に関しては特殊なようです…笑
いっそのこと、イギリスに来られる際には是非このイギリスの食文化を楽しみましょう!